【6年がかりで自作した登り窯、愛着と試行錯誤の日々】
当窯は、背が高く、奥行きが短い構造になっています。
ですので、窯焚きの日数が10日間ほどかかります。
そのうちの3日から4日は、通常よりも高めの1,250度の温度で焚かなければなりません。
そこで、耐火性の強い土が必要になりました。幾度も失敗を重ね、試行錯誤の中から生まれたのが、現在の粘土の配合なのです。
初めの頃は、窯の正面(火前)の温度をしっかり上げようとしたあまり、作品が焼け過ぎて、焼けダレやゴマが溶け過ぎてしまいました。
その結果、作品が変形したり、割れたりしました。
温度を下げると、窯の奥の方の作品の焼きが不十分になる、という問題が起きました。
なので、やはり粘土の耐火性を上げるしかない、という結論になりました。
そして、土の配合を色々と変え、それにあった窯の焚き方を試みましたが、失敗の連続でした。
一般的な備前焼の窯焚きとは違う、焼成方法を確立するのに7〜8年かかりました。
そしてようやく、自然な風合いのままで、日用に使える耐熱対応の作品が生まれたのです。
最近では、電気窯やガス窯など、手軽な焼成方法もありますが、二つと同じ焼き色が現れない「登り窯」にこだわり続けて作品作りをして参りました。
【備前焼をもっと気軽に、日常使いへ】
作品を作り上げることが、私にとって至上の喜びです。
ですが、美術品のようにしまいこんでしまうのではなく、日常的に使える「丈夫さ」、使い込むほどに「味わいのある」「食器」として、もっと備前焼の良さを多くの方に知っていただきたいと思います。
ONI BIZENブランドとして、電子レンジ・オーブン対応の商品ラインアップをご用意しております。
また、飲食店様向け、記念品など、オーダー品も喜んで承ります。
店名を刻印したり、形やサイズ、深さや厚みなど、様々なご要望にお応えいたします。
エクステリア向けの大型商品、一点物の作品なども、随時、受け付けております。
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陶芸家 武田謙二